日本人は世界一英語が下手な国民であるとも言われますが、その原因は日本の英語教育にあると信じています。日経新聞の広告に「海外旅行を快適に過ごすには、ちょっと気の利いた一言が決め手です」という英会話教室のようなものが載っていました。NHK教育テレビの大杉正明先生という人が書いているものなのですが、日本人の英語はやはりいろいろな意味でおかしいと思わせるものがあります。
1. 足元の広い飛行機の非常口座席を割り当てて欲しい場合のフレーズ。
Could I have one of those seats by the emergency exit?
に加えて
I'd be happy to assist the attendants.
というのがよいと書かれていますが、非常口座席は数が少ない上に航空会社の上級会員に優先的に割り当てられていることも多く、こんなことを言ってもたいてい無駄です。アメリカの航空会社の中には、このような条件のよい座席に対して追加料金を徴収するところすらあります。
非常口座席の乗客は、緊急時には客室乗務員とコミュニケーションを取りながら、乗客の脱出を助けることも求められています。「I'd be happy to...」と言えたからといって、こんなところで英語を学習している人に、そのような役割がつとまるのか甚だ疑問です。個人的には、混雑しているチェックインカウンターでこんなことを言う客は、エコノミーのチケットしか持ってないのにビジネスにアップグレードしろと言っている迷惑な客と本質的に変わらないと思っています。こんな余計なフレーズを新聞で紹介されては航空会社もさぞかし迷惑なことでしょう。
2. 機内で忙しそうに働いている客室乗務員に頼みごとをするときのフレーズ。
I know you're busy, but...
気配りのできる人のフレーズとして紹介されていますが、さすがにこれには寒気がしてしまいました。(嫌味として言うなら結構よさげかもです。)エコノミーであっても、例えば飲み物が欲しければ堂々と頼んで何も問題はありません。こんな回りくどいことを言う必要がどこにあるのでしょうか?もし本当に忙しそうにしているなら、後でお願いするのが本当の気配りというものでしょう。大切なことはむしろ、何かをしてもらった後に必ず「Thank you.」と声に出して言うことです。何も言わないのはとても感じが悪いです。
3. レストランで注文していないものが出てきたときのフレーズ。
Please confirm my order.
「I didn't order chicken. I ordered pork.」などと言った後に、これを言うのが「大人の対応」と書かれているのですが、こんなことを言わなくても、「注文したものと違う」と言えば自動的に確認されるはずです。このフレーズの重要性がわかりません。
海外旅行をする日本人にとってもっと実用的なフレーズは他にたくさんあるはずです。まわりくどいことを言わずに、平易な単語と短い言葉で相手に自分の意思をストレートに伝えることが重要です。非常口座席が必要なら、「Can I have an exit-row seat?」とでも言っておけばいいと思ってます。
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