NIKKEI NETに「インドに円借款4500億円 単一事業で最大、貨物鉄道を建設」という記事が出ていました。
政府はインドの首都ニューデリーと商業都市ムンバイを結ぶ貨物専用鉄道の建設計画に、約4500億円の円借款を供与する方針を固めた。日本がこれまで供与してきた円借款で、単一事業への支援としては過去最大。22日に開く麻生太郎首相とインドのシン首相との首脳会談で合意する見通しだ。鉄道インフラを整備することで、人口11億人を抱える大市場への日本企業の進出を後押しする狙いがある。
欧米からは日本のODAの円借款の割合が高いことに対して、発展途上国を借金漬けにするといった批判があるようですが、円借款は必ずしも悪い仕組みではありません。円借款は将来の返済が義務づけられた資金であるため、もらえるものはもらってしまえというモラルハザードが働きにくく、発展途上国の自助努力を促すという点で優れています。円借款を使えば供与できる金額を大きくできるため、鉄道のようなインフラ整備には好都合な援助だと言えます。円借款には資金が循環するというメリットもあります。日本が過去に貸した資金が戻ってくれば、それをまた発展途上国に貸し付けることもできます。その一方で、将来の返済が見込めないような国に多額の融資をするわけにもいかないので、円借款は厳しい貧困に苦しむ人々を直接助けることにはなりません。
円借款は援助額を増やしやすいという点で、ODA増額の圧力がかかっている日本政府にとっても都合のいいものです。ODAには「資金協力については、その供与条件が発展途上国にとって重い負担にならないよう、グラント・エレメント(GE)が25%以上であること」という基準がありますが、EXCELの計算式に数字を入れてみたら、返済期間が30年とか40年で、年利2%といった条件だと余裕でGEの基準を満たすことができます。その代わり、ODA実績が支出純額(支出総額-回収額)で評価されるため、新たな融資先を見つけなければ日本のODA実績は下がってしまうということです。インドに対してはデリーの地下鉄建設でも多額の円借款を供与しており、またインドかという感じですが、金利負担のある大型の円借款を受け入れてくれる国は今やそんなに存在しないのかもしれません。
このインドの貨物専用鉄道の建設計画ですが、デリーとムンバイというのは東京と大阪のようなインドの幹線なのに鉄道の輸送力が低いことが日本企業の進出にとって足かせになっていると言われており、この案件に円借款を供与する意義は大きいのだろうと思ってます。それでも、非現実的ということを承知であえて言うならば、インドに対して日本がODAを供与すること自体に反対です。なぜなら、インドはパキスタンとともに南アジアの核保有国であるからです。日本は世界で唯一の被爆国なのだから、そのような国には一切の援助はしないくらいの強いメッセージを出すべきだと思っています。

写真-1 インドでは鉄道は撮影禁止なので大事を取って写真は撮りませんでした。これはデリーの鉄道博物館で撮った模型です。
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