2009年12月1日の日経新聞に「動き出すBOPビジネス」という記事が出ていました。
日本企業が途上国の低所得者層向けビジネスに注目し始めた。年間3千ドル(約26万円)未満で暮らすこの層は「BOP(ボトム・オブ・ピラミッド)」と呼ばれ、世界人口(約68億3000万人)の約7割を占めるとされる。企業にとって利益率は低いが、将来所得水準が上がれば巨大市場になる可能性を秘める。雇用創出で貧困削減にも期待がかかり、公的機関による企業支援の輪も広がろうとしている。
「BOPビジネス」の「BOP」とは経済の底辺を指す「ボトム・オブ・ピラミッド」あるいは「ベース・オブ・ピラミッド」の略なのだそうです。バングラデシュのムハマド・ユヌスグラミン銀行総裁が先駆けだったと思うのですが、貧困層ビジネスで巨額の利益を挙げる企業が増えています。貧困層とはいえ人口が多く経済成長を遂げている発展途上国というのは、成長の止まった日本よりもむしろ魅力的な市場ではないかと思います。人件費が安いことをいかして現地生産すれば十分な利益をあげるのも不可能ではありません。バングラデシュではフランスの食品会社ダノンとグラミン銀行の合弁会社グラミン・ダノン・フーズがヨーグルト生産を行っています。サステナビリティ社の「ダノンとグラミン銀行が合弁貧困層に“栄養”と“雇用”を提供」という記事によれば、この事業は以下のようなものです。
この事業の主眼は、ビタミンやミネラルを強化したヨーグルトでバングラデシュの子供たちの栄養状態を改善することにある。80g入りの商品を比較的安価な約5タカ(約9円)で販売する。工場では地元の人々を雇うだけでなく、原料の生乳や糖蜜も地元の農家から仕入れ、販売と配達も地元の人々に委託する。酪農家や販売店には、マイクロ・クレジットで資金を融資し、技術指導も行う。収益を新工場の建設に再投資することで、拠点を増やしていく。
日本のように成長力の低下が見込まれる先進国から大きな経済援助を期待するのは今後ますます難しくなってくるでしょう。成長が鈍化する先進国政府からの経済援助の代替として、BOPビジネスを通じた民間による支援がますます重要になってくると思います。日本政府の発展途上国への支援も、人道・災害復旧などを目的とした無償資金協力以外は、返済を義務づけた円借款とBOPビジネスの二本立てでいいのではないかと思っています。
最近のコメント